シンホリは私が25の時にプレカット事業を始めました。
当時、木材や建材を建築現場へ届ける、いわゆる「流通業」しかしていなかった会社が、工場を建て、高額な機械を入れて木材を加工する「プレカット」という新たな「製造業」に挑戦でした。当時の私は、不安というよりワクワク感の方が強く感じました。それは材木屋でプレカットに挑戦するということに、とても大きな可能性を感じたからです。
最初の1棟目は、社長を含め従業員一同、皆が不安で、工場の敷地内に実際加工したプレカットを建ててみました。
当たり前ですが普通に精度が良く、建ったことを皆で喜びあったことを今でも覚えています。

(昭和38年頃のシンホリ)
それから30年近くが過ぎ、私は熊本地震が起こった被災地を訪問し衝撃を受けました。
そこには私たちが毎日作っている「プレカット材」が、地震で倒壊した家の骨組みとしてむき出しになって、無残にも引きちぎられた状態を見たからです。地震という自然の力の強大さ、恐ろしさを感じたのと、今まで間違いの無いプレカット材を作ることだけは一生懸命やってきましたが、地震に対しプレカット材を強くしていくという考えは全くなかったことに気づきました。早速会社に戻り、自分ができることは何なのかを考え、私たちがやるべきことは「地震に強いプレカットを作り、1棟でも多く耐震性能の高い家づくりのお手伝いをして、一人でも多くの人の命を守る!」という考えに至りました。
シンホリが今、積極的にお客様に展開している「耐震シミュレーションウォールスタット」はそんな考えから生まれ、現在年間100棟近くのお客様の大切な物件の耐震強化のお手伝いを進めています。

「躯体強化サポートシステム」
T.KONDO