先日、高齢の母が庭で転び、骨折して入院しました。実家は築50年。冬はすきま風が吹き、敷居や勝手口、庭石まわりに小さな段差が点在します。
歩みがゆっくりになった母にとって、「数センチの段差」は想像以上のハードルでした。
この経験を通じて、私たちは家を建てる段階から、将来を見据えた「やさしさ」を設計に組み込むことの重要性を再認識しました。家は地震に強く、命を守る存在であってほしい。
同時に、年配の方が安全に、そして快適に暮らせる設計であることの大切さを、今回改めて学びました。これは赤ちゃんや小さな子どものいる家にも通じる視点だと思います。
高齢化社会のいま、住まいの“やさしさ”は、一度真剣に見直す価値があります。
では、私たちはこれから何をすればいいのでしょうか。家全体で「段差・明るさ・温度」の三点を考えるのが近道ではないでしょうか。
①段差は「なくす・目立たせる・つかまれる」の三手
→敷居の撤去・スロープ化・手すりの追加
②明るさは「点け忘れゼロ」
→人感センサー照明や足元灯、玄関・庭の外灯で暗がりの一歩をなくす
③温度は「急激な変化ゼロ」
→浴室・脱衣所の断熱と暖房、内窓や玄関ドアの更新でヒートショック対策
大掛かりな改修が難しければ、段差見切り材や仮手すりなど「小さく始める工夫」からでも十分です。
構造から考える、本当の“やさしい家づくり”
シンホリは、工務店様と共に、家を建てる段階から「強さ」と「やさしさ」を両立できる家づくりを後押ししています。
揺れたあとも住み続けられる構造躯体の提案や、最新の耐震シミュレーションの検証。そして、冬のすきま風や急激な温度変化といった身体的な負担を根本から軽減する高気密・高断熱の設計支援。
日々のつまずきを防ぐディテールから、家族の命を守る強固な骨組みまで、その積み重ねが、「安心して暮らし、安心して見守れる」毎日を生み出します。
私たちの経営理念は「住まいに関わる志事を通して すべての人を元気にし 共に幸せを創造する」。
工務店様と共に、住まいに少しの愛と工夫を重ねることで、明日の元気と安心を育む家づくりを全力で支えていきます。
K.NAKAMURA